栄養学雑誌
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糖尿病性腎症におけるたん白質制限食の効果と栄養指導上の問題点
石橋 幸子桶田 俊光足立 和代中野 美保子大田 哲子若松 裕子町田 トシエ野口 隆博金田 幸司伊東 康子坂田 利家小野 順子高木 良三郎
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1994 年 52 巻 3 号 p. 111-117

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抄録

糖尿病性腎症において血清クレアチニン (Cr) 2.0mg/dl前後でたん白質制限食の指導を開始した13例 (A群) と, 同時点で栄養指導を受けなかった11例 (B群) について追跡調査を行い, 腎症の進展状況と栄養指導上の問題点を検討した。A群とB群とでは調査開始時の年齢, Cr, BUN, 推定糖尿病罹病期間に有意差がなかったが, A群の8例 (61.5%) が21.4±1.9か月で透析導入に至り, B群の8例 (72.7%) が14.1±1.3か月で透析導入に至った。長期にわたり, 糖尿病食を指導された患者にとって食事内容変更の受け入れは困難であり, 頻回の個別栄養指導が必要であったが, これを施行したA群に透析導入までの期間の延長が認められ, 早期のたん白質制限の効果が示唆された。

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