栄養学雑誌
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秤量法食事記録調査における入力過誤の修正と標準化の方法に関する一考察
今枝 奈保美徳留 裕子藤原 奈佳子永谷 照男構 実千代恒川 鈴恵佐藤 信子時実 正美小出 弥生宮井 好美牧 信三徳留 信寛
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2000 年 58 巻 2 号 p. 67-76

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抄録

本報では, 107人の栄養士を対象に, 四季, 各季連続7日間の秤量法食事調査において, 記録原票の内容確認面接, 入力過誤修正の方法, 食品成分表の取り扱い, 食品のコーディング, 重量換算, 主要料理の標準レシピなどを検討したので報告した。
延べ2,925日の食事記録は, 149,187行の食品コード・重量データとしてコーディングされ, 総出現食品数は1,160食品であった。成分表未収載食品や調理済み食品などのコード化が困難な事例は414食品あり, 今後の食事調査で参照するために分類整理して処理した。
入力過誤の修正は, 目視により原票を照合した後, 各食品コードごとに生じやすい過誤の例を,“入力過誤検索用食品一覧データベース”にして, 食品コード・重量データを検索し修正した。その結果, 春期・夏期のデータでは, 73,266行中1,112行の過誤データが見つかり, 特に食品コードの修正に効果があった。大量の入力データの過誤修正にはコンピュータ検索が不可欠であった。
食品コーディングや重量換算の精度を保つためには, 記録を確認する面接や詳細なマニュアルが必要であった。フォローアップ成分表未収載食品の取り扱い方法によって, 脂肪酸, 食物繊維摂取量を過小評価, あるいは過大評価する可能性があった。秤量法食事記録調査における入力過誤の修正と調査方法の標準化が必要であることが示唆された。

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