2006 年 1 巻 1 号 p. 42-51
工業化社会から情報化社会への転換を受けて,新たな国のかたちを創るために,市町村合併が進んだ.しかし財政力強化の視点からの合併がほとんどであり,現状のままでは,ますます地域間格差が拡大し,国際競争力を高める国づくりはできない.新しい国づくりには,首都機能移転を実現し,小さな自治と財政的にもマンパワー的にも地域力の向上する「大都市化分都市化型都市づくり」に資する市町村合併が求められる.新しい国のかたちづくりの第二幕はこれからで,地理学界は空間的視点から社会に対して発言すべき時である.