E-journal GEO
Online ISSN : 1880-8107
ISSN-L : 1880-8107
調査報告
東京都多摩地域における農村空間の商品化にともなう都市農業の維持・発展メカニズム―立川市砂川地区を事例にして―
菊地 俊夫田林 明
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 11 巻 2 号 p. 460-475

詳細
抄録

本研究の目的は東京都多摩地域の立川市砂川地区を事例にして,農産物直売所の存在形態と農村空間の商品化の関連性から,都市農業の維持・発展メカニズムを明らかにすることである.立川市砂川地区における都市農業の維持・発展は農産物直売所の立地に大きく依存している.それは,農産物直売所が都市住民に農産物を直接販売する施設であり,その施設を都市住民のニーズに応えるかたちで維持することで,農産物生産が行われているためである.結果として,農村景観や農業的土地利用が維持されるだけでなく,農村コミュニティも維持されることになる.また,農産物直売所を都市住民が訪れて購買することにより,それを核とする農村空間は生産空間としてだけでなく,消費空間としても意味づけられるようになる.

著者関連情報
© 2016 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top