2018 年 13 巻 1 号 p. 1-10
本研究では,関東地方の夏期降水発現時における気温低下の地域的特徴を明らかにした.夏期平均気温の高低は降水頻度の高低と相関が強く,平均気温の低下に降水雲の出現による日照時間の低下が関わっている.また,降水発現時の気温の標準偏差は平野北部より南部で大きい.南部では気温が高い日中のほか,降水発現前に日照時間が寡少で低温な広領域曇雨天時および夜間の降水発現事例が北部より多く,広領域曇雨天時は降水強度が大きく気温低下幅が大きい.一方,局地的に発現した対流性降水事例は北部で多発し,日中においては,降水発現時前に日照時間が気温低下に先立って減少し,降水強度が夜間より大きくその後の気温低下も大きい.対流性降水事例では,発現後5~8時間で領域晴天日の気温の日変化とほぼ同じになった.平野南北における降水発現時の気温の標準偏差の違いには,降水強度とともに降水発現前の日照の有無などによる気温の差異が関与している.