E-journal GEO
Online ISSN : 1880-8107
調査報告
ギリシャ・アテネにおける水産物市場の特徴と現状
崎田 誠志郎
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2018 年 13 巻 2 号 p. 439-451

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抄録

ギリシャの水産物流通をめぐっては,漁業経営の小規模性や,長大な海岸線と多くの島嶼から成る国土の地理的特徴により,流通システムの断片化やインフラ整備の遅れが生じている.本稿では,ギリシャにおける水産物流通の現状を把握するため,各地の水産物が集積する首都アテネの水産物市場に着目し,流通水産物の内容や鮮魚店の経営形態,水産物の流通経路などについて報告する.調査の結果,アテネ市内において計42科60種の水産物の取扱いを確認した.産地は国内の広範囲にわたっており,海外からの輸入水産物も多くみられた.水産物は大半がアテネ近郊のケラツィニ港を経由していたが,鮮魚店によっては個別に流通ルートを有していた.市場における取扱水産物の傾向と多様性には,生産現場における漁獲魚種・漁法の多様性だけでなく,産地の広がり,鮮魚店の経営戦略,国内経済の動向,ギリシャ社会の文化・宗教的側面などが反映されていた.

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© 2018 公益社団法人 日本地理学会
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