2019 年 14 巻 1 号 p. 105-115
本稿では,大阪府北部地域における7市(豊中市,池田市,吹田市,高槻市,茨木市,箕面市,摂津市)の地域防災計画を取り上げて,自然的,社会経済的な視点からみた地域特性が,予防対策や応急対策などの災害対策,被害想定や対策を行う想定地震などに考慮され,目次構成や想定災害に示されているかどうかを検討した.7市では,災害応急対策,中でも,事故災害に対する対策,そして,対策を行う想定地震に相違がみられた.想定地震の相違は,各市が想定する際の考え方の違いによるものであり,自然災害に対しては,自然的な視点からみた地域特性を踏まえて項目立てされている.事故災害に対する対策では,社会経済的な視点から類似性のある地域特性を有していても,各市の判断により,地域特性を考慮した項目立てがなされない場合がみられた.