E-journal GEO
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地理教育総説記事
2022年度以降の高校教育課程における「地理総合」「地理探究」設置の実態:新潟県・千葉県・兵庫県の公立高校並びに全国私立・国立大学附属学校のカリキュラム調査結果報告
志村 喬小橋 拓司石毛 一郎後藤 泰彦泉 貴久中村 光貴松本 穂高秋本 弘章
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2023 年 18 巻 1 号 p. 71-81

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抄録

高校必履修科目となった地理総合が授業実践される直前の2021年10月から翌年2月にかけて実施した全国的なカリキュラム調査の結果を報告した.主要な知見は次の通りである.①1学年での必履修科目の設置率は,歴史総合の方が地理総合より高い傾向がみられ,兵庫県と私立学校では顕著である.②学校類型別では,専門学科系高校において地理探究(選択科目)は基本的に設置されておらず,地理学習は地理総合で終了するといえる.③4年制大学進学者が過半数を占める学科・コースにおいては,文系では地理探究は設置されない(選択できない)傾向,理系ではそれと逆の傾向がある.④これら実態の背景には,大学受験に対する高校での指導戦略,地理を専門とした教師の不足,過去のカリキュラム枠組(特に単位数)を変更することの困難さがあると推察される.

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