筆者らはプリント基板などで頻繁に使用されているマイクロストリップ型の配線について, 非接触で高周波電流を測定する方法を開発, LSIのモデリングやプリント基板配線の設計を行うために利用してきた。しかし, プローブを十分に近接できない場合や著しく配線の密度が上がる場合などにおいては, 隣接配線による磁界の影響を受ける場合もある。特にグランド平板を持たない配線では, マイクロストリップ型に比べ電磁界が広範囲に分布するため、空間分解能を向上させて電流を同定する処理が必要となる場合も出てくる。そこで今回, コプレナー型の配線について隣接配線の影響を考慮した電流変換係数を提案し, 磁界プローブを用いた非接触での高周波電流計測に適用した。電圧プローブによる電流値と400MHz以下の周波数帯で比較したところ, 実測値の差は1.5dBよりも小さかった。また, 線間が狭くかつ線幅が広くなるほど電圧プローブによる電流値との差が大きくなることが分かった。