エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集
第16回エレクトロニクス実装学術講演大会
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超伝導フリップチップ接続技術と電気的特性
菊 亮一菊地 克弥仲川 博所 和彦川邊 潮青柳 昌宏
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p. 48

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抄録

我々は、超伝導集積回路チップの高速信号伝送用実装技術として、フリップチップ接続法に着目し研究を行っている。本講演では、Pb/In超伝導バンプを使ったフリップチップ接続法について、実験とシミュレーションによって評価した結果を報告する。制御方法の違いによる接合強度の比較をシェアー試験によって行ったところシリンダー制御方法による接合強度は平均0.865kgf、サーボ制御方式は0.795kgfおよび0.495kgfであった。このことから、一定荷重での接続方式の方がより強い接合強度を得られることが解った。また、室温と液体ヘリウム4.2K環境の熱サイクル特性を評価したところ、50回経過後の超伝導電流最大値が1.8A→0.8Aと低下が確認された。断線していないため、熱膨張の繰り返しによるバンプ部の劣化と考えられる。高速信号伝送特性についてはTLM法を用いた電磁界解析シミュレーションによって超伝導バンプ接合部モデルを作成し解析を行った。その結果伝達係数S21が周波数500GHzにおいても10%の減少に留まることから、バンプ部のインダクタンスの影響が少なく、ピコ秒レベルの高速な信号を伝達するのに十分な性能をもつことを明らかにした。

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© 2002 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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