抄録
プリント基板材料や電子材料接着剤には、その機械的性質および電気特性からエポキシ樹脂が使用されており、その強靱化、耐クラック性能の改良には相溶性の点からNBR(アクリロニトリル-ブタジエンゴム)が使用されている。当社では以前より本分野への特殊ゴムの開発を進め、NBR系架橋粒子ゴム(XER-91)、メタルフリーNBR(PNR-1H)を既に上市している。一方、最近のパソコンの高速化、携帯機器の急増に伴い、実装基板の小型・軽量・高機能化が進み、基板材料はさらなる強靭化、耐クラック性改良が求められている。また同時に高周波特性(低誘電率・低誘電損失)も必要とされている。上記特性に着目し、研究開発を進め、SBR(スチレン-ブタジエンゴム)系架橋粒子ゴムが良好な電気特性を有し、さらにその配合量の調整により、幅広い弾性率を持つ、柔軟かつ強靱な熱硬化性配合物の開発が可能であることを見出した。