信号処理能力を向上させるためには、データレートの高速化と多ビット化が必要である。このためには、データバスを伝送する信号の自己伝送歪と隣接信号からの同時動作ノイズを抑制し、安定した回路動作を保障する必要がある。信号レベルの基準となり、信号の共通帰路となる電源グランド径路には、多くのビアやスリットが存在するため、理想的な直流レベルにはならない。その結果、LSIの閾値電圧にも影響を与え、信号波形に時間のずれや歪、即ちジッタが生ずる。本報告では、データバスの同時動作ジッタを、電源グランド径路の不完全性、LSIの非線形性、ならびにランダムパルス応答を考慮して解析する方法について述べる。