抄録
本研究では、無電解Ni/Auめっき膜を中心とした、はんだボール脱落不良を事前に防止するため、各種めっき膜のはんだ付け性を判断する手法として、高速シェア試験(マイクロインパクト試験)を用いた、良否判定方法の確立を目指している。各種検証の結果、高速シェア強度と界面破壊モードの発生率には密接な関係性があることを再確認した。更に、高速シェア強度が高いめっき膜と低いめっき膜では、下地のNi相の形成状態、及びはんだ付け時に界面に形成される化合物の形状及び成長状態が異なっており、これらがクラックの伝播経路に影響を与え、破壊モードの差異を生じさせている可能性を見出した。これらの結果について考察し、報告する。