抄録
光通信や記録用光モジュールでは、光素子の実装に薄膜はんだを用いる。融点278℃のAu-Snはんだが使われてきたが、光素子の信頼性向上のために220℃~240℃で接続でき、残留応力を低減できるSn系薄膜はんだが求められている。Sn系薄膜はんだの課題は、(1)酸化しやすく、濡れ不良が生じやすい(2)Sn表層にAu層を成膜しても短期間に拡散してAu層が消失することである。そこで、Sn上に拡散バリアとしてのAg層と、酸化防止のためのAu層を形成したSn/Ag/Au構造を考案した。本構造により長期間の表面酸化抑制と、AgおよびAuのSnへの速い溶解による良好な溶融が得られ、高い接続信頼性を実現した。