抄録
鉛フリー誘電体を用いた薄膜キャパシタをプリント基板などの耐熱性の高くない基板上に実現することに取り組んでいる。シリコン基板上に電極としてPtを、誘電体層として化学溶液法でBaTiO3膜(BTO)を作製した。BTOは、化学溶液法による成膜が困難であったが、熱処理方法を最適化した条件で積層を繰り返した結果、クラックの無い膜を作成することが可能となった。作製したキャパシタの誘電率は640程度で、電気特性、XRDのデータも得た。また、薄膜キャパシタ実装のための剥離プロセスを確立するために、シリコン基板上からの剥離実験を行った。この実験から下部電極の厚さは150から1000nmが適切であるとわかった。