学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
症例報告
Double Percutaneous Trans-Esophageal Gastro-tubing により保存的治療が可能であった超高齢者十二指腸潰瘍穿孔の1例
今北 智則大平 寛典山内 栄五郎北島 政樹鈴木 裕
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キーワード: 十二指腸潰瘍, PTEG, 保存加療
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2019 年 1 巻 1 号 p. 38-41

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抄録

胃十二指腸潰瘍穿孔の治療はガイドライン1)によると「年齢70歳以上であるとき,重篤な併存疾患があるとき,早期の手術を推奨する」と記載されているが,耐術能のない患者の場合,保存療法で治療せざるを得ない.今回,超高齢者の十二指腸潰瘍穿孔に対してPTEGを経腸栄養と胃の減圧目的に2本挿入し,保存療法のみで治療した症例を経験したので報告する.

 症例は92歳,女性.主訴は右上腹部痛.上部消化管内視鏡で十二指腸潰瘍を認め,CTで十二指腸潰瘍穿孔と診断した.Performance Status 4(以下,PSと略),Barthel Index20の超高齢であり,限局性腹膜炎のため,保存療法を選択した.まず栄養路を確保するため頚部から穿刺を行い,空腸にPTEGチューブを留置した.同じ刺入部から内瘻化チューブを減圧のために胃内へ誘導し,保存療法のみで経過観察が可能であった.耐術能が極めて乏しい十二指腸潰瘍穿孔の患者の治療においてPTEGで経腸栄養と胃の減圧を行うことは有効であった.

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© 2019 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
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