2020 年 2 巻 3 号 p. 174-185
【目的】呼吸リハビリテーション施行中のCOPD患者に対して,ホエイペプチド・BCAA配合流動食を用いた栄養補充療法が炎症および栄養状態に及ぼす影響を比較検討する.【対象および方法】呼吸リハビリテーションが可能な安定期COPD患者35名(有効性解析対象者23名)を対象に,流動食を用いて摂取群と非摂取群の非盲検2群間比較試験を行った.主要評価項目は全身性炎症指標(TNF-α,IL-6,IL-8,CRP)と栄養指標(アルブミン)とし,副次評価項目は身体組成,呼吸機能,呼吸筋力,トランスサイレチン,トランスフェリン,6分間歩行距離,筋力,QOLとした.【結果】主要評価項目であるアルブミンと副次評価項目である身体組成,トランスサイレチン,トランスフェリン,筋力,QOLにおいて摂取群は非摂取群に比べ有意な改善を認めた.【結論】COPD患者に対する栄養補充療法により栄養指標であるアルブミンの改善を示した.