学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
2 巻 , 3 号
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目次
原著
  • 池内 智之, 山本 絵理, 矢原 京子, 一木 克之, 自見 勇郎, 中山 初美, 津田 徹
    2020 年 2 巻 3 号 p. 174-185
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/12
    ジャーナル フリー

    【目的】呼吸リハビリテーション施行中のCOPD患者に対して,ホエイペプチド・BCAA配合流動食を用いた栄養補充療法が炎症および栄養状態に及ぼす影響を比較検討する.【対象および方法】呼吸リハビリテーションが可能な安定期COPD患者35名(有効性解析対象者23名)を対象に,流動食を用いて摂取群と非摂取群の非盲検2群間比較試験を行った.主要評価項目は全身性炎症指標(TNF-α,IL-6,IL-8,CRP)と栄養指標(アルブミン)とし,副次評価項目は身体組成,呼吸機能,呼吸筋力,トランスサイレチン,トランスフェリン,6分間歩行距離,筋力,QOLとした.【結果】主要評価項目であるアルブミンと副次評価項目である身体組成,トランスサイレチン,トランスフェリン,筋力,QOLにおいて摂取群は非摂取群に比べ有意な改善を認めた.【結論】COPD患者に対する栄養補充療法により栄養指標であるアルブミンの改善を示した.

  • 土肥 眞奈, 佐々木 晶世, 小林 優子, 叶谷 由佳
    2020 年 2 巻 3 号 p. 186-195
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/12
    ジャーナル フリー

    【目的】看護師が胃瘻カテーテル内汚染・閉塞予防のため実践してきた管理方法と交換期間を調査すること【対象および方法】無作為抽出した日本の有床病院と介護保険施設2,000箇所の看護師に質問紙を配布した.【結果】チューブ型胃瘻を使用する287施設の内,回答が多かった平均交換期間はバルーン型1カ月以上,バンパー型4カ月以上だった.カテーテル内汚染・閉塞予防策は白湯充填,汚染への対処方法,汚染に有用と考える対処方法は白湯フラッシュの回答が多かった.バルーン型カテーテルを1カ月以上使用する施設は有意に非常勤管理栄養士配置数が多かった(p=0.02).【結論】管理栄養士数を適正に配置し,看護師と連携して胃瘻管理を行うことがカテーテルを長く使用可能にすると推測される.また不使用時に白湯を充填しておくこと,カテーテル内汚染には白湯フラッシュが最も行われていた.

症例報告
研究報告
  • 清木 雅一, 長谷川 朋子, 大庭 佳恵, 竹村 有美, 藤井 雄一, 前原 由起子, 飯田 武, 山下 智省
    2020 年 2 巻 3 号 p. 206-213
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/12
    ジャーナル フリー

    【目的】栄養不良患者の腎機能評価における筋肉量測定の重要性を検討した.【対象および方法】当施設におけるNST対象患者50名の身体計測を行い,さらにクレアチニンあるいはシスタチンCから求められる腎糸球体濾過量推算値(eGFRcreat, eGFRcys)とクレアチニンクリアランス(Ccr),推定クレアチニンクリアランス(eCcr)を算出した.【結果】対象患者の下腿周囲長と上腕筋面積は,日本人の新身体計測基準値に比して減少しており,eGFRcreatとeGFRcysにより評価したCKDステージは,筋肉量減少が大きいほど乖離を認めた.eGFRcreatに比べてCcr,eCcr,eGFRcysによる腎機能評価はより重度と判定され,Ccrと最も相関したのはeGFRcysであった.【結論】栄養不良患者の筋肉量の評価は必須であり,筋肉量減少が明らかな場合の腎機能評価にはeGFRcysが有用である.

  • 森永 伊昭, 白戸 香奈子, 大髙 由美
    2020 年 2 巻 3 号 p. 214-219
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/12
    ジャーナル フリー

    誤嚥性肺炎の入院後早期のエネルギー(以下,Eと略)摂取量は不足しやすく,不足は回復を阻害する可能性がある.誤嚥性肺炎382例を対象として生存退院と入院後3日目のE摂取量/体重(以下,3日目E摂取と略),入院後1週間の1日当たりE摂取量/体重(以下,1週間E摂取と略)との関係を調査した.生存退院は332例(86.9%)だった.A-DROPスコア,悪性腫瘍(転移を含む)併存,血清アルブミン値,body mass indexの4変数に,3日目E摂取または1週間E摂取のいずれか一方を加えた,計5変数を独立変数とするロジスティック回帰分析では生存退院に対する3日目E摂取の調整オッズ比は1.09(p=0.002),1週間E摂取の調整オッズ比は1.21(p<0.001)であった.E摂取が増加すると生存退院が増加した.入院後早期のE摂取量不足の回避は誤嚥性肺炎の回復に寄与する可能性がある.

  • 溜井 紀子, 藤本 裕子, 熊井 梢恵, 橋本 匡弘, 磯田 紀子, 永野 伸郎
    2020 年 2 巻 3 号 p. 220-226
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/12
    ジャーナル フリー

    【目的】透析患者に対して酢酸亜鉛製剤を投与し,血清亜鉛,銅,血球数,赤血球造血刺激因子製剤抵抗性指数(ESA-RI)に対する作用を検討した.【対象および方法】潜在性亜鉛欠乏(血清亜鉛<80 µg/dL)の維持血液透析患者81人を亜鉛製剤投与群(50 mg/日)と栄養指導群に分けた.血清銅基準値(66~130 µg/dL)に基づき,3カ月後の血清銅値が66 µg/dL未満の患者は亜鉛投与を中止し,66 µg/dL以上の患者は6カ月後まで投与を継続した.【結果】亜鉛投与3カ月後に血清亜鉛値は著明に上昇し,3割の患者が血清銅下限値未満となった.一方,栄養指導3カ月後に血清亜鉛値は僅かに上昇したが,血清銅値に変化は認められなかった.また,6カ月までの亜鉛投与により,投与前と比較して,赤血球数,白血球数,血小板数,ESA-RIに変化は認められなかった.【結論】透析患者における亜鉛投与時の,用量,投与期間,至適血清亜鉛濃度,血清銅濃度の許容下限値などの更なるデータ蓄積が求められる.

施設近況報告
  • 土肥 麻貴子, 西岡 弘晶, 茨木 まどか, 池末 裕明, 安藤 基純, 東別府 直紀, 室井 延之, 橋田 亨
    2020 年 2 巻 3 号 p. 227-233
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/12
    ジャーナル フリー

    【目的】栄養サポートチーム(NST)による入院患者の中心静脈栄養(TPN)の処方支援の効果を検討する.【方法】2018年1月から6月に当院入院中にTPNを開始した患者を対象とし,NSTが処方支援した介入群(11名)としなかった非介入群(54名)で,エネルギーやたんぱく質投与量,目標投与量の充足率,脂肪乳剤の使用の有無,血糖や電解質モニタリングの有無などを,後方視的に調査し比較検討した.【結果】エネルギー投与の充足率(%)は介入群は90.5,非介入群は73.9で介入群が有意に高く,脂肪乳剤の使用も介入群が有意に多かった.たんぱく質投与の充足率は介入群(%)で100,非介入群は84で介入群で高かったが有意差はなかった.血糖や電解質のモニタリングの実施割合に有意差はなかった.【結論】当院ではNSTがTPN処方支援をした群はエネルギーやたんぱく質の充足率が高い傾向があり,脂肪乳剤の使用率も高かった.

編集後記
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