2020 年 2 巻 3 号 p. 227-233
【目的】栄養サポートチーム(NST)による入院患者の中心静脈栄養(TPN)の処方支援の効果を検討する.【方法】2018年1月から6月に当院入院中にTPNを開始した患者を対象とし,NSTが処方支援した介入群(11名)としなかった非介入群(54名)で,エネルギーやたんぱく質投与量,目標投与量の充足率,脂肪乳剤の使用の有無,血糖や電解質モニタリングの有無などを,後方視的に調査し比較検討した.【結果】エネルギー投与の充足率(%)は介入群は90.5,非介入群は73.9で介入群が有意に高く,脂肪乳剤の使用も介入群が有意に多かった.たんぱく質投与の充足率は介入群(%)で100,非介入群は84で介入群で高かったが有意差はなかった.血糖や電解質のモニタリングの実施割合に有意差はなかった.【結論】当院ではNSTがTPN処方支援をした群はエネルギーやたんぱく質の充足率が高い傾向があり,脂肪乳剤の使用率も高かった.