学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
原著
2次医療圏レベルでのネットワーク構築による胃瘻の長期栄養管理
郡 隆之戸丸 悟志小林 克己田中 秀典
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キーワード: 地域連携, 胃瘻, 5年生存率
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2020 年 2 巻 5 号 p. 300-306

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抄録

【目的】群馬県沼田2次医療圏で管理されている胃瘻患者の長期栄養管理の意義を検討した.【方法】胃瘻地域連携パスを利用している患者の,1)造設後の予後,2)在宅復帰率,3)経口移行率を調査した.【結果】2012年4月から7年間で胃瘻地域連携パス運用患者数は371名であった.胃瘻造設時の平均年齢は81.1歳で,男性169名,女性202名であった.追跡可能な334名の解析では,1)造設後生存期間中央値は619日,1カ月生存率93.7%,1年生存率62.7%,3年生存率32%,5年生存率19.5%であった.2)生存中の99名のうち46名が介護福祉施設に入所中で,在宅復帰率は17.2%(17名)であった.3)経口移行率は4.2%であった.【考察および結論】胃瘻地域連携パス運用患者の予後は良好であった.当地域は在宅復帰率が低いため,胃瘻による介護施設での栄養管理は必要不可欠である.

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© 2020 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
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