学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
原著
救命救急センターにおける管理栄養士病棟配置による早期経腸栄養の実践効果
平田 幸一郎菅野 真美米倉 竹夫百木 和羽生 大記
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2020 年 2 巻 5 号 p. 290-299

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抄録

【目的】本邦において管理栄養士が配置されている救命救急センターは少なく,経腸栄養開始時間は諸外国と比べて遅いと報告されている.管理栄養士配置による救命救急センターにおける栄養管理の質向上効果を検討したため報告する.【対象および方法】救命救急センターへ入院し,5病日間経口摂取ができなかった患者を対象とし,管理栄養士が配置される以前の2016年4月1日から2017年5月31日までに入院した17名を管理栄養士非介入群,配置後の2017年6月1日から2018年3月31日に入院した対象患者18名を管理栄養士介入群とし,管理栄養士介入効果を検討した.【結果】管理栄養士介入群では,非介入群に比べ,経腸栄養開始時間,経口摂取開始時間が有意に短縮され,輸液使用料,抗菌薬使用料の有意な減少を認めた.【結論】救命救急センターへの管理栄養士配置は経腸栄養開始時間の短縮,経口摂取開始日数の短縮,抗菌薬使用料減少,医療コストの低下と関連した.

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© 2020 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
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