抄録
1,2-bis(4-n-alkyloxybenzoyl)hydrazine(BABH-n)のアルキル鎖の炭素数(n)が8及び10の化合物では、結晶(Cr)相と液体(I)相の間で光学的に等方なcubic (Cub)相とsmectic C (SmC)相の中間相が発現し、Cr-Cub-SmC-I転移をとることが知られている。われわれはさらに鎖長の長いBABH-11、BABH-12、BABH-14を合成し、これらがcubic相だけを示し、Cr-CubーI転移をとることを報告した。ここではBABH-10、BABH-11、BABH-12の三種類の同族体の圧力下の相転移現象を、高圧DTA、圧力下の偏光顕微鏡、高圧X線回折を用いて測定し、cubic相の安定性および相転移で非常に興味ある実験事実を見出し、これらの実験結果について議論する。