抄録
強誘電性液晶FLC032のSa, Sc*相における配向状態を探る目的で, 液晶分子のコアに近い構造をもつ13Cカルボニルーフェニルベンゾエイト[PB]をプローブとして13CのスペクトルとT1を観測した。PBカルボニル13Cスペクトルは, 両側のフェニルの1Hにより, Sa相では7本, Sc*相では7本と9本に分裂する。これらのケミカルシフト, 分裂間隔, 1Hデカップリング下でのT1等の温度変化から, PBはSa相ではコア部分に配向し, Sc*相ではその半分位が側鎖領域に弾き出されている事が分かった。