抄録
秩序変数の時間発展を記述する方程式を,壁が存在する時にどのように連続体シミュレーションとして数値実装すべきかを考察する.ここでは,保存しない秩序変数のダイナミクスについて考察し,具体例としてはアンカリングが重要な役割を果たす,ネマチック液晶セルの横電場に対する応答を考える.表面の秩序変数の離散化された時間発展の式において,通常は現れないバルクのエネルギーの寄与が現れることを示す.我々の離散化のスキームは,格子間隔の大小にかかわらず首尾一貫した時間発展を与えること,比較的格子間隔が大きくても信頼できる結果が得られることを示す.