抄録
45度方向からArイオンを照射したポリイミド膜表面をAFMで測定した結果、照射方向(Y軸)の直交方向(X軸)に平行な微細な凹凸(約25nmピッチ)が増えることが分かった。イオンビームの照射時間を増やすと、さらに約25nmピッチの構造は増加した。一方、Y軸に平行な構造は殆ど変化が見られなかった。Iso-N*-SmA-SmC*相系列のスメクティック液晶を、このセルに詰めた結果、照射時間が短いときは、液晶はY軸方向に配向し、照射時間を長くするとX軸方向に配向した。液晶をY軸方向に配向させる力よりも、X軸に平行な微細な凹凸による、液晶をX軸方向に配向させる力が、大きくなった結果と考えられる。