スメクチック液晶エラストマーの形状記憶とクロスリンクトポロジー

抄録

液晶エラストマーは液晶の異方性とエラストマーの力学的性質を併せ持つ新しい材料である。特に応力下での架橋反応により形状記憶が可能で、可逆的・自発的な変形機能を有することで注目を集めている。しかしながらこれらの機能の分子論的な検討はほとんどされておらず、メソゲンやクロスリンカーの分子形状の効果など基本的な事柄についても組織的に検討された例は少ない。本研究で２種類の架橋剤（メソゲン型クロスリンカーとハイドロキノン型クロスリンカー）を用いて一軸応力下、さらにはせん断応力下で架橋反応して得られたスメクチック液晶エラストマーについて、Iso-SmA-SmC逐次相転移における形状変化と分子配列変化を検討した。