電気泳動
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論文種目:総説
がんの新しい診断治療法開発の発展を目指し設立した栃木キャンサーバイオバンクの紹介
菊田 一貴近藤 格吉松 有紀仲谷 博安佐々木 里奈中野 公子吉田 祐甫尾澤 巖
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2022 年 66 巻 1 号 p. 27-30

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抄録

昭和61年に開設された栃木県立がんセンターは,都道府県がん連携拠点病院として多くのがん患者の診療を行ってきた.近年の科学技術革新に伴うがん診断治療法の急速な変化・発展に対応するためバイオバンクやデータベース構築の重要性が増している.バイオバンクやデータベースを活用することで,分子情報をもとに個々の症例に最適な治療法を選択したり,少数の症例からは得ることができない普遍的な情報を得たり,希少がんや難治性がんの研究を行ったりすることも可能になる.そこで,栃木県立がんセンターではがんゲノム検査をはじめとする患者組織を用いた検査に備えることと,がんの基礎研究および新規治療法開発のためのトランスレーショナルリサーチを推進することを目的に2021年4月に栃木キャンサーバイオバンクを開設した.当院で開設したバイオバンクの目的や特徴について紹介する.

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© 2022 日本電気泳動学会
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