電気泳動
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論文種目:技術
がんの予後予測バイオマーカーの探索:三次元ペプチドアレイによる網羅的キナーゼ活性解析
野口 玲近藤 格
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2022 年 66 巻 1 号 p. 47-51

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抄録

キナーゼによるタンパク質リン酸化反応は,細胞内での様々な生命現象に関与している.がんにおいてもキナーゼの異常ががんの発生・進行に重要な役目を担っている.キナーゼの異常はがんの薬物療法である分子標的薬の治療標的であり,沢山のキナーゼ阻害薬が開発されている.キナーゼの異常の原因として,キナーゼをコードする遺伝子の遺伝子変異やコピー数の異常などの遺伝子異常が知られている.しかし,遺伝子異常を伴わないキナーゼの活性異常が多く存在する.そのため,キナーゼの活性を調べることが必須である.キナーゼの活性を検出する法として,様々な手法が存在するが,その中でも微量の生検検体でも網羅的にキナーゼの活性を測定できる三次元ペプチドアレイによる網羅的キナーゼ活性解析システムは予後予測バイオマーカーの探索や治療標的の同定に有用である.

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© 2022 日本電気泳動学会
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