1972 年 47 巻 12 号 p. 1018-1032,1004
ベタメサゾン治療のネ症13症例の治療前中後における尿corticosteroid (以下CS) 排泄量を測定し, ACTH-Z, SU-4885負荷による間脳下垂体副腎皮質予備能の推移を経時的に追求した.治療前のネ症には副腎皮質機能低下を認めなかつた.治療中, CS排泄量は急速に, 予備能は徐々に低下した.しかしcorticoid投与による機能抑制は可逆的で, 投与中止とともにCS排泄量は反擾的に増化し, 予備能の回復正常化をみた.治療終了1週後の予備能とcorticoid投与の量, 期間との問に相関を認めない.