沿岸海洋研究
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現場観測と人工衛星リモートセンシングによる富山湾の アマモ場の時空間変動の把握
寺内 元基原田 恭行松村 航前田 経雄
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2020 年 58 巻 1 号 p. 75-76

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抄録

富山湾におけるアマモ場の時空間変動を明らかにするため,水中ビデオカメラによる底質の現場観測データと人工衛星 画像を用いて,氷見沿岸のアマモ場の抽出を試みた.2016年の水中ビデオカメラによる現場観測(6月下旬~7月上 旬,11月下旬~12月上旬の2回実施)で得られた底質情報を主に用いて(岩礁性藻場のみ2017年のデータを一部使 用),2016年3月17日に観測されたRapidEye 衛星画像を最尤法による教師付き分類で解析したところ,富山湾の氷見沿岸 においてアマモ場と分類されたエリアの総計は592ha となり,現場観測で得られた底質情報と概ね対応した(全体精度 64%,タウ係数0.54,アマモ場の精度74%). その後,2017年の初夏から2018年の春先にかけて実施したスキューバ潜水によるアマモの生育状況及び種子の分布状況 調査から,氷見沿岸の深い海域(水深6m 以深)のアマモ場は1年性で,その分布が水温や濁り等の環境の変化ととも に,ダイナミックに変化していることが示唆された.

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© 2020 日本海洋学会 沿岸海洋研究会
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