抄録
本研究の目的は,1人1台端末導入期における小学校低学年の日常的な活用に関する実態を明らかにすることである.その際,日常的な活用の実際を確認した上で,情報モラルの実態,ICTスキル,活用に対する意識の3つの観点から実態の解明を試みる.対象学級において約6か月間,1人1台端末を日常的に活用した結果,教師の指導以上に操作方法に習熟し,多様な活用方法が展開されたこと,情報モラルを問われる場面が多く見出され,想定されている学年以上の情報モラルが求められる実態であったこと,児童のICTスキルは活用実態に関連し先行研究と比較して高いこと,1人1台端末を日常的に活用することを児童は肯定的に捉えていることが明らかになった.