2017 年 11 巻 1 号 p. 28-39
ストカスティック演算は,ソフトエラー耐性が高い演算方式として注目されているだけでなく,ある程度の誤りを許容可能なアプリケーション(画像処理,機械学習,ディープラーニング等)の増加に伴い,近年盛んに研究が行われている.本論文では,ストカスティック演算の基礎的な事項からハードウェア実現における利点・欠点について概説するとともに,ストカスティック演算の適用例として,脳の視覚情報処理を模倣した脳型LSIの実現例について幾つか紹介とともに,その省エネルギー性について議論する.