電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
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CCS研究会提案
量子ニューラルネットワークを用いた組合せ最適化及びその応用
長谷川 幹雄
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2017 年 11 巻 2 号 p. 113-117

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抄録

近年,イジングハミルトニアンのエネルギー最小化を利用した最適化問題の解法が検討されている(S. Utsunomiya et al., Optics Express 19, 2011).また,そのような手法を大規模に実装する技術の研究も進んでいる(T. Inagaki et al., Science, 234, 2016).本稿では,このようなハードウェアで実現する量子ニューラルネットワークを用いた組合せ最適化アルゴリズムを検討する.対象とする組合せ最適化問題の目的関数は,イジングスピンの相互結合に実装することとなる.相互作用によるエネルギー最小化を用いた最適化問題の解法は,Hopfield-Tank Neural Network を用いた従来研究において様々な組合せ最適化問題に適用されてきた.本稿では,Hopfield-Tank Neural Network を用いた巡回セールスマン問題の解法を,量子ニューラルネットワークで動作させる方法を説明する.シミュレーション結果を示しながら,提案手法の有効性を示す.

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© 2017 一般社団法人 電子情報通信学会
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