2020 年 14 巻 2 号 p. 138-146
ハイパースペクトル(HS)画像は紫外線領域から近赤外線域までの広い波長(スペクトル)帯の情報を細かく分光イメージングすることで取得される空間(二次元)―スペクトル(一次元)の3Dデータであり,人間の目や既存のRGBカメラでは捉えられなかった物理的性質や現象を可視化できる.しかし,空間―スペクトル情報を完全に取得することは計測環境/光学的設計の観点から困難なことが多く,計測の際に生じるノイズなどによる劣化も避けられない.本稿では,最適化を活用することで不完全かつ劣化を伴う計測データから所望のHS画像を推定する技術について解説する.