無線通信におけるチャネル割当にグラフ理論における彩色問題が応用できるとの指摘は古くからあり,多くの研究が進められてきた.初期の段階では,自動車電話を想定したセルラシステムにおける研究であった.その後無線通信は発展し,多岐にわたる応用が考えられている.グラフ彩色もこれに対応して応用可能な研究が期待されるが,現状では十分でないと考えている.そこで,本文では,チャネル割当とグラフ彩色のこれまでと,発展した無線通信に対応が期待できるグラフ彩色を紹介する.その上で,無線センサネットワークに応用可能な具体的なグラフを取り上げ,本文で扱ったグラフ彩色を例示する.