2024 年 18 巻 1 号 p. 79-87
豪雨による土砂災害が日本各地で頻発しており,地域住民の被害が後を絶たない.被害軽減のためには避難を促す仕組みが必要であり,我々の研究グループでは,土砂災害モニタリングシステムを地域住民と協力して構築し,赤外線カメラで撮影した画像を常時提供している.本論文では,土砂災害モニタリングシステムの概要を述べるとともに,より迅速な土砂災害検知を目的とした,画像解析による危険度の自動検知や電波を用いた土壌水分量の推定の取り組み,及び山間部における土砂災害モニタリングネットワーク構築のための研究開発について概説する.