2025 年 19 巻 2 号 p. 87-96
Software-Defined Vehicle(SDV)は,ソフトウェアによって機能が定義される次世代自動車であり,そのアーキテクチャはゾーン型へと移行しつつある.本稿では,まず従来型車両との構造的な違いと,SDVを支える仮想化,マイクロサービス,OTAといった技術基盤を解説する.次に,コネクティビティの増大やサプライチェーンの複雑化に伴い拡大するサイバー攻撃の脅威を分類し,具体的な攻撃シナリオを論じる.その上で,SBOMによる構成の透明化,Uptaneやin-totoを用いたサプライチェーン全体の信頼性確保,HSM/TEEといったハードウェアセキュリティに至る多層的な対策技術を詳述する.最後に,UN-R155などの国際標準への対応やDevSecOps体制の構築といった産業的課題と今後の展望を考察する.