武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科において,筆者は約20年にわたり,「世界をいかに新鮮に感じとるか」という着想に基づく研究を継続してきた.本研究は,人間が生み出してきた環境,すなわちヒト世界のものやことを虚心坦懐に観察することから始まる.デザインを学ぶとは,単なる表現技術や造形ノウハウの習得ではなく,環境への向き合い方や世界の成り立ち,その見方を探究することである.人間が他の生物と同様に環境の中で生きる存在であることを真摯に観察・考察する姿勢が重要である.本稿では,4年次学生と取り組んだテーマの一部とその成果を紹介する.