電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
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ISSN-L : 1882-0875
IMQ研究会提案
大型液晶ディスプレイの最新技術
吉田 育弘山田 祐一郎
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2011 年 4 巻 3 号 p. 215-223

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抄録

イメージメディアを支える重要不可欠な基盤技術である液晶ディスプレイ技術に関し,最近のブレークスルーと考えられる三つの技術と,それを応用した3D表示について概説する.まず,最近のブレークスルーとして,光配向技術を取り上げる.光配向技術は,従来の液晶ディスプレイで必須とされていたリブ・スリットという構造物を除去することを可能にした,新しいパネル製造技術である.この技術により,高コントラスト,高透過率,高速応答が実現できる.またLEDバックライト技術は低消費電力や広色域化に有効である.更に,多原色表示技術は,適切な設計を行うことで物体色のほとんどが再現可能で,視野角,消費電力,解像度なども同時に改善可能である.また,3D表示技術は,光配向技術によって実現される高速応答やLEDバックライト,多原色表示技術などに支えられ,高画質2D表示と相まって,液晶ディスプレイの価値を一層高めつつある.本稿では以上について概説し,近年の液晶ディスプレイ技術の発展について鳥瞰する.

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© 2011 一般社団法人 電子情報通信学会
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