電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
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レビュー論文
非線形方程式の解の個数・解曲線とΩ行列の役割
西 哲生
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2013 年 7 巻 2 号 p. 103-115

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抄録
本稿では,トランジスタ回路に由来する非線形方程式の解の個数に関する基本的な結果をまとめている.この方程式の一意解の条件については有名なSandberg-Willsonの定理で解決されているが,この結果は非線形関数が単調増加関数という仮定の下で得られている.本稿では,より現実的な仮定の下で,解の個数について検討した筆者の一連の結果を解説する.特に,有限個の解を持つための必要十分条件が,“Ω 行列” という概念の導入により簡潔に表現できることを示す. 2.でΩ 行列の定義及び諸性質を述べる.3.では,最初に一意解に関する従来の結果をまとめ,次に非線形関数に関する新しい仮定を導入して,この下での非線形方程式の解の最大個数について述べるが,この際現れる“解曲線”がΩ 行列といかに深く関わるかについて述べる.最終的に解の最大個数を必要十分な形で述べている.
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© 2013 一般社団法人 電子情報通信学会
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