電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
Online ISSN : 1882-0875
ISSN-L : 1882-0875
VLD研究会提案
高速三次元電磁界・回路シミュレーション技術の現状と将来展望
— アルゴリズムと並列計算の観点から—
浅井 秀樹井上 雄太關根 惟敏
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2014 年 7 巻 3 号 p. 197-209

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抄録

近年,回路の集積化と高周波化が著しく進み,高速伝送の実現とともに多様な雑音問題が深刻となっている.半導体だけでなく,回路システムを構成するプリント配線板やパッケージの発展により,その設計も複雑となり,昨今は,三次元構造の効率的設計が望まれている.更に,半導体集積化もMoore の法則の限界に対する対策として,二次元から三次元構造へと進化しつつある.これらの三次元設計において,いかに信号や電源の品質を保証するかが課題となっている.これらの課題に対して,シミュレーション技術の重要性が高まっている.そのような背景の下,本稿では,三次元解析技術の現状と将来展望について述べる.まず最初,三次元電気シミュレーションについて概要を述べた後,従来の電磁界・回路シミュレーション技術について整理する.次に,これらの時間領域解析に対する先端的な高速アルゴリズムについて述べる.更に,PC クラスタやGPGPU などの高並列処理機能を利用したハードウェアアクセラレーション技術について言及するとともに将来展望を示す.

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© 2014 一般社団法人 電子情報通信学会
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