筆者らは広域通信を実現しつつ高速・大容量通信を可能とし,更に大規模災害時においても安定した通信回線の提供を可能とする異種無線融合ネットワークであるディペンダブルエア(Dependable Air)を提唱している.このような異種無線融合ネットワークにおいては,帯域拡大のためにスモールセルネットワークの活用が重要である.しかし,特にミリ波帯を用いたスモールセルネットワークではカバレージが小さく在圏端末が少ないために未使用リソースが増加する問題がある.本稿では,異種無線融合ネットワークにおける最適ネットワーク選択手法として,準天頂衛星システム(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)などの高精度測位信号と信号品質やトラヒック情報を基に作成されたマップ情報を用いたトラヒックナビゲーションについて解説する.本方式を用いることで,ユーザ周辺に加えて更に広範囲のネットワークを対象とした負荷分散がなされ,スモールセルネットワークを有効活用するデータオフロードが実現できる.