抄録
コミュニティマイニングは社会的な関係を表すネットワークから内部的なつながりの強いグループを見つけ出す手法であり,クラスタリングなどのデータマイニングに使われるばかりでなく,直接的に有益な情報を得るためにも使われる.研究者のコミュニティマイニングも古くから行われており,研究分野のトピックや,その分野での人の活動を知る手段の一つとみなされてきた.従来は,論文の共著関係という非常に強いつながりを用いた狭いコミュニティを考えていたところを,同一の研究会に参加したという,face to face のコミュニケーションを軸にした,より広いコミュニティの発見を試みた.電子情報通信学会の書誌情報を用いた実験の結果,幾つかの研究会にまたがるものなど,興味深いものが見つかることが確認された.