東京大学経済学部
2024 年 54 巻 1 号 p. 55-71
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無限分散性・長期記憶性などの非正則性を許容した状況下で,時系列モデルの頑健な推測理論を構成する.非正則性をもつモデルでは,従来の統計量の収束レートや極限分布が未知の局外母数に依存し,漸近分布に基づく推測手法の展開は困難である.この問題に対し,自己基準化法・自己加重法などの統計量頑健化手法や,経験尤度法を適用する.そしてモデルの従属構造や高次モーメントに対する柔軟な仮定の下で,望ましい極限分布をもつ頑健な統計量を構成する.さらに変化点解析や因果性検定への応用例も紹介する.
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