実験動物
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実験動物用固型飼料中における農薬 (BHC, DDT, ドリン剤) の残留について
関口 冨士男森田 遥秋元 健大島 康夫
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1975 年 24 巻 1 号 p. 13-18

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抄録
1970年から1973年の間に市販されたマウス・ラット用固型飼料および1973年に市販されたイヌ, ウサギ・モルモット, サル, 雛用飼料の有機塩素系農薬 (BHC, DDT, アルドリン, デイルドリンおよびエンドリン) の残留量をガスクロマトグラフィー (ECD-GC) により定量してつぎの成績をえた。
(1) マウス・ラット用固型飼料中の総農薬残留量は1970年から1973年に減少傾向を示した。
BHC異性体のうちα-BHC含量の変化は著明だったが, β-BHCおよびγ-BHC含量はほとんど変化がなかった。デイルドリン, pp'-DDTはわずかであるが減少傾向を示し, アルドリンおよびエンドリンはほとんど検出されなかった。
(2) イヌ, ウサギ・モルモット, サル, 雛用各飼料の総農薬残留量はマウス・ラット用固型飼料とほぼ同程度であった。
(3) 各種飼料原料8品目の総農薬残留量は, 小麦粉, トウモロコシ, 大豆粕, 脱脂粉乳に比べ, フスマおよび魚粉が多かった。前者では, α-BHC, および後者ではβ-BHCが多く, pp'-DDTは脱脂糠にもっとも多かった。
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© 社団法人日本実験動物学会
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