2024 年 61 巻 5 号 p. 355-361
フレイルを日常臨床の中でいかに管理していくのかは今日の透析医療における重要な課題である.フレイル管理において,その中核を担うのがリハビリテーション治療,特に運動療法(指導)である.透析患者に対する運動療法(指導)はうつ症状,運動耐容能,身体機能および筋力を有意に改善することが明らかにされ,近年では長期予後への効果も報告されるようになった.ただ,実臨床においてはエビデンス通りにいかない事例も多く存在することから,対象患者の個々の特性に応じて,運動療法(指導)のタイミングや有酸素運動あるいはレジスタンス運動といった運動様式を選択・修正することが求められる.