抄録
成熟マウス雌あるいは雄をそれぞれ離乳直後の雌あるいは雄と同居交配させ, 繁殖可能な日令を知ることと, 若令からの交配の生産効率に与える影響を見る目的で実験を行なった。A群は平均日令25日の雌と平均日令62.5日の雄, B群は雌, 雄とも平均日令25.3日, C群では平均日令64.7日の雌に平均日令24.6日の雄を1: 1で同居交配した。D群は同一日令成熟マウスを同様に交配したものである。各群とも30組からなり雌の日令が400日令に達するまで同居交配させた。A群では, 初産日令は47.1日であり, 初産の得られた交尾推定日令は雌で26.7日と推定される。B群では初産日令64.7日で, A群に比較し18日遅れている。なお, この場合の若令雌の腟開口日令は, 18~25日で平均20日令であった。C群の雄の交尾推定日令は, 44.6日令であり, B群とほとんど同じである。繁殖可能になる日令は雌では約26日, 雄では約45日であった。分娩回数は平均A群で8.3回, B群で7.8回, C群で7.2回, D群で7.0回であり, 若令から妊娠したA群が最も多かった。交配後200日間の繁殖成績からみても, 交配日令を早くすることにより, 繁殖効率が向上することが認められた。