Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
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加齢にともなうラットの腎の病理組織学的変化と腎機能検査値の関係
尾上 正治内田 和美高橋 徳太郎草野 信男務台 方彦
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1978 年 27 巻 4 号 p. 405-412

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抄録

82日齢から560日齢までのSD系雄ラットに自然発生した腎の病理組織学的変化を調べ, それと腎機能検査値との関係について検討した。実験に用いたラットはすべて外見上健康で, 腎に肉眼的変化はみられなかったが, 病理組織学的には幾つかの異常所見が認められた。腎病変は最初尿細管に発生し, 加齢に伴なって糸球体, 次いで間質に発生した。しかも, ほとんどの腎病変が加齢に伴なって進行した。
腎病変の程度を最もよく反映する腎機能検査値は尿蛋白排泄量であった。尿へのNa排泄量も腎病変の程度と対応する変動を示した。尿蛋白は34日齢のラットでも僅かに検出され, 加齢に伴なって増加した。395日齢以上のラットには著しい個体差がみられた。尿蛋白排泄量は血清アルブミン量および尿へのK排泄量と負の相関性があった。

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© 社団法人日本実験動物学会
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