Experimental Animals
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Wistar-今道ラットにおける加齢と腫瘍発生
真板 敬三松沼 尚史増田 裕鈴木 善雄
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1979 年 28 巻 4 号 p. 555-560

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抄録

Wistar今道ラット雄320, 雌354例における自然発生腫瘍の頻度と種類を130週齢まで経時的に検索した。
検索期間中に認められた担腫瘍動物は雄170, 雌269例で, 53週から78週齢の間に急激に増加した。また, 雄62, 雌115例には複数の腫瘍が認められた。最も頻発した腫瘍は下垂体 (雄69: 雌224) , 乳腺 (29: 99) , 精巣 (雄74) , および副腎 (26: 21) に見出された。このうち下垂体と雄の精巣の腫瘍は加齢とともに発生頓度が増加した。そのほか腫瘍は卵巣・子宮・腟 (雌27) , 甲状腺・上皮小体 (13・12) , 皮ふ (8: 8) , 脾・リンパ節 (8: 7) , 膵 (9: 5) , 肝 (3: 7) に, また, 肺 (3: 3) , 胸腺 (1: 4) , 大網・腸間膜 (2: 3) , 胃・小腸 (2: 2) , 腎・膀胱 (1: 2) , に認められ, さらに, 右大腿骨 (雌1) と大脳 (雌1) にも観察されたが, これらの多くは観察期間の後期に発生した。

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© 社団法人日本実験動物学会
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