1981 年 30 巻 2 号 p. 137-140
NODマウスの顕性糖尿発現におよぼす性ホルモンの影響を性腺摘出により検討した。性腺摘出雄の発症は高頻度で, その累積経時変化は無処置雌のそれとほぼ同じであった。一方, 性腺摘出雌の発症は低頻度で, 無処置雄のそれと類似するものであった。発症マウスの臨床所見について去勢マウスと無処置マウスの間に大きな差異は見られなかった。これらの成績は, 性ホルモンがNODマウスの顕性糖尿発現に関与していること, すなわち, 少くとも雄性ホルモンが抑制的に作用していることを示唆している。